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過去のワークショップ詳細WEB討論会シリーズ(全4回)

 

WEB討論会シリーズ概要

 
WEB討論会シリーズを開催するにあたって

丹野浩一

“イノベーティブ・ジャパン”プロジェクト推進室

  1950年代以降わが国のモノづくりは、欧米から基本技術を導入し付加価値を高めると共に量産化を進めて、世界をリードする商品群を世界市場に送り出し科学技術立国と言われるまでに成長して来ました。しかしながら、近年グローバル化が急速に進む中で、NIES圏(新興工業経済圏)などの技術台頭もあって、戦後復興を支えてきたキャッチアップ型のモノづくりの構図が終焉を迎えたと言われたり、市場を意識しない技術優先の開発がわが国は技術で勝って市場では後塵を拝するようになったとか、あるいはガラパゴス化を招いたなどと言われるようになり、わが国のモノづくり産業は厳しい競争に直面しています。

 わが国がこれから再びフロントランナーを目指すために、イノベーションを引き起こすことが出来る人材の育成は急務になっていますが、企業はリーマンショック以降、人的配置をスリム化したこともあって、OJTによる育成基盤が脆弱になっています。OECDからも社会貢献度が低いと指摘されたわが国の高等教育ですが、これからは高等教育における技術者教育本来の役割を果たすことが期待されます。

 産業界からの要請はより具体的になって来ており、その内容はたとえば平成11年度に発行された精密工学会の調査報告「製造企業から見た高専大学卒業生に対する要求現状」、あるいは平成21年度~23年度に日本機械工業連合会からシリーズで発行された「機械工業高度化に必要とされる技術系人材像に関する調査研究」などに見ることが出来ます。

これに加えて、これからは単に売れるモノを造るということだけではなく、地球環境、市場や社会の動向なども考慮し、かつ安全に配慮したモノづくりやシステム設計が出来る幅広い能力を持った技術者の育成が必要でしょう。それには柔軟な思考を持った技術者を如何に育てるかという視点での教育が重要になって来ると思います。

 産業界同様、教育界においても、欧米に学ぶ時代から脱皮し(参考にし意識することは必要ですが)、わが国らしい人材育成の在り方を真剣に議論し構築していく必要があるでしょう。これまで重点的に行われてきた専門力の向上に加え、異分野への関心と融合、創造性育成、思考の展開と整理等々多様な検討が必要ですし、限られた期間内でのカリキュラムの編成の在り方など課題は山積しています。

 改革にあたっては、基本的な考え方を共有しつつも、学校種によって置かれた状況は異なりますから、それぞれに個性的で特色ある改革に向けて継続的に検証を重ね、総合的な見地に立って改善工夫をしていくことが大事と思います。

このようなことから、このサイトでは、おもに求められる技術者像やエンジニアリングデザインを意識したPBL教育の在り方について、先進的取り組みをされておられる方々や継続的に啓発活動をなさっておられる方々をお招きし、理想とする考え方、現実との整合性を考えた進め方などについて議論を頂くことにしています。

 技術者教育の発展には、解決すべき課題を関係者間で共有することが重要であるとの想いから、討論の様子はwebによって広く社会に発信していくことにしています。なお、初等中等教育や社会など全体が関係して始めて理想とする姿になるものと思いますので、高等教育機関の声のみならず、中高教育あるいは産業界の声も紹介したいと思っています。 豊かな社会の発展のためには多様な能力や価値観を持った人材の養成が必要です。高専、大学それぞれに目的、目標は異なると思いますが、資質の高い技術者の育成は共通の課題ですから、高専教育に視点を置きながらも討論の内容は出来るだけ広い視点で展開しています。

 web討論の内容は、どなたでも見やすいようにテーマごとに15分程度に編集し、テロップも適宜入れています。ぜひ参考にしていただければ幸いです。 また、今後の開催案内はHPに事前に掲載していますので、直接ご参加いただき熱い討論にご参加いただければ幸いです。その上でご叱責、ご教示など賜れば幸いです。技術者教育の在り方について今後討論して欲しい内容などありましたらご提案をお待ちしています。