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特命教授コラム

 
“イノベーティブ・ジャパン” プロジェクトの背景にあるもの(1)
東京工業高等専門学校 特命教授 丹野 浩一

 イノベーティブ・ジャパンプロジェクトでは、グローバル化に伴って変革著しい産業社会の中で、これからもモノづくりのプロとして逞しく活躍し続けることが出来る、高専卒の技術者を養成するための教育手法のモデルを構築することを目的のひとつに上げています。

 技術者教育は本来先取り型であるべきだと思いますが、経済社会や技術の変化がめまぐるしく変わりつつある昨今、次第に後追い型になって来た感は否めません。産業動向の先行きを想定することは簡単なことではありませんが、産業技術の発展に直接関わる若者を育成する高専にあっては変革の方向性を調査・研究し、少しでも先取り型に近づけた教育内容へと改編させる努力が必要であると思います。

 戦後の混乱の中から奇跡的に立ち上がった日本、その背景には高専卒を含む先人技術者たちの努力があり、一時期は世界2位の経済大国にまでなりました。それを支えたモノづくりはキャッチアップ型(先進国から導入した技術を発展させ、均一で高品質の製品を生産してきたモノづくり)と言われたものでした。品質的に優位な商品をもって内需拡大や輸出拡大を図ってきましたが、それから50年を経過した今、そのモノづくりはNIEs諸国(newly industrializing economies(新興工業経済地域)諸国)に移り、それらの国々の技術力および生産力は年々向上し、相対的にわが国の競争力が低下し始めました。このような世界的な技術競争の中で、わが国の産業は真に人間の役に立つ新しい価値を持った商品を創り出していく必要性に迫られるようになって来ました。