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シンポジウム「高専教育の地平」
開催のお知らせ

 

社会実装教育フォーラム

2014年度社会実装コンテスト2日目(3月7日・土)の開催の中で、“社会実装教育フォーラム”を開催しました。
 
2014年度社会実装コンテスト~社会実装教育フォーラム~
日時:2015年3月7日土曜日 10:40~11:40
会場:東京高専 5棟2階 5201大講義室
講演タイトル:『 Between Invention and Innovation 』
講師:中村孝一郎氏(株式会社リコー技術研究所フォトニクス研究センター長)
コメンテーター:稲垣孝氏(国土交通省 総合政策局公共事業企画調整課企画専門官)、有信睦弘氏(独立行政法人理化学研究所理事・東京大学 監事)
モデレーター:丹野浩一  氏((独)国立高等専門学校機構 東京工業高等専門学校 特命教授)



~講演趣旨~
 研究開発における着想(Invention) を新しい顧客価値(Innovation) として結実させるためには、優れた着想だけでなく、マーケティング、製品化プロセスなどさまざまな困難を乗り越えることが求められます。
 本講演では、高専を卒業し、大学で研究を行い、シリコンバレーのベンチャー、日本の大企業で研究開発、製品化、事業化に携わってきた経験をもとに、Invention からInnovation へたどり着くためのポイント、高専で学ぶべきこと、経験すべきことを皆さんにお伝えします。


 
丹野浩一特命教授より開催挨拶
独立行政法人国立高専機構東京工業高等専門学校特命教授
丹野浩一氏
 
講演・Between Invention and Innovation
株式会社リコー技術研究所フォトニクス研究センター長
中村孝一郎氏
 
イノベーションを起こすために~社会実装教育フォーラムの当日の様子~
中村孝一郎氏(株式会社リコー技術研究所フォトニクス研究センター長)による講演『Between Invention and Innovation』では、中村氏の熊本電波高専卒業から現職までの間でご経験されたこと、気づいたことを『顧客価値』という観点からお話しをいただきました。Innovation(新しい顧客価値)を起こすために必要な、Invention(着想・発明)×Marketing(仮説・検証)×Commercialize(製品化)は、一見、それぞれを独立したおこないにするとよいかもれませんが、Innovation(新しい顧客価値)は式のうちどれがかけても起こせないとお話を頂きました。また高専学生にとって卒業することは単に社会人になるのではなく、職業人になる。そして職業人として、職業能力を限られた時間の中で育んでいく必要性についてお話をいただきました。中村氏の海外でのご経験や現職の経験から社会へ出て顧客と話せる、提案できる、交渉できる技術者の必要性、高専生の英語力についても言及されました。



稲垣孝氏(国土交通省 総合政策局公共事業企画調整課企画専門官)によるご講演では、『国土交通省―次世代社会インフラ用ロボット開発・導入―』と題してお話を頂きました。近年橋梁、トンネル、火山などの災害が続き、ロボットの活用がいっそう重要になって来たことにふれ、社会に役立つロボットの開発として、『次世代社会インフラ用ロボット開発』を例に顧客のニーズと企業のシーズを把握することの重要性についてお話し頂きました。ユーザーに使用してもらうためのロボットの開発に大事なことは、技術だけがあってもダメで、現場の声を知り、ユーザーのニーズに沿った開発が重要で、技術が成立していても実際の活用では使えない、そのことを開発者は理解してほしい。ロボットを使われる現場に持ち込んでテストをし、そのデータを持ち帰りさらなる改良を重ねたりしてはじめて使えるロボットが出来る。現場は良い技術に加えて使える技術を求めていると、厳しいながらも熱い励ましの言葉を頂きました。



有信睦弘氏(独立行政法人理化学研究所理事・東京大学 監事)からは、『イノベーション』と題してお話を頂きました。DVDディスクやワープロの開発から普及までの流れをご自身のご経験を踏まえてお話しを頂きました。たとえばDVDの開発事例については、誰でも造れるようにフォーマットを敢えて公開し、競争を引き起こすことによって価格低下を進め普及拡大を図ったことなどの事例を紹介し、技術だけあってもダメで市場の方向性、環境など関係することすべてを満足させるよう考えねばならないことを強調された。従来は研究が進むと、技術面からの思い
だけで無理に事業化を進め失敗するケースも散見された。これからは顕在化したニーズだけではなく、潜在的ニーズを如何に掘り起こし、関係する技術は何か?、ユーザーが求めるニーズで欠けている知識は何か?と考え続けることが必要である。社会実装教育に取り組むにあたり、学校で習っている学問だけがすべてではない。拡がりを意識して取り組み、不可欠なものに必ずするんだという思いでやってほしいとエールを送られました。