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IzumoBASE株式会社訪問記


訪問日:2014年11月17日 月曜日
場所:IzumoBASE株式会社 駒場オフィス
お答えいただいた方:代表取締役社長 荒川 淳平 様
質問者:東京高専4年 松永宏章、星野彩


 
企業トップインタビュー

荒川 淳平 代表取締役社長

事業内容について
IzumoBASEでは「IzumoFS」という名称のソフトウェアの開発を行っている。これは「ソフトウェアデファインドストレージ」と呼ばれ、データを保存する「ストレージ」という高価な機器を、安価である、汎用品のサーバという機器で代用できるようにするものだ。ストレージは、学校や企業、サービス事業者(インターネットゲーム、通信販売等を提供する会社)の計算機室やデータセンターで使われている。このようなことから、主に企業が運営するシステムに携わり、世の中のサービスを見えないところから支える役割を担っている。


リスクかチャンスか
―達成感を感じることはどのようなことですか?
自分達と比べてとても大きな会社の根幹に入っているということが、達成感にもなりプレッシャーにもなる。自分達のシステムがトラブルを起こしたら何万人という規模で影響が出てしまうけれど、逆にそれだけ信頼してもらえていると考えることもできる。ベンチャー企業だから実績が少ない分今は不利ではあるけれども、それにもかかわらず企業の担当の方は僕らの製品を採用してくれている。実績が少ない企業の製品を使うというリスクをとってもいいと思われるほど、僕らの製品が気に入られているということがとても嬉しい。

―仮に、何か「リスクはあるがやれば成功するかもしれない」物事をやるかやらないか選ぶとしたら、どちらを取りますか?
まあ、やるということを決めるだろう。そうでなければベンチャーはやっていけない。有名な大企業に就職して安定した生活を送ることもできる。一方で、ベンチャーを立ち上げることでやりたいことをビジネスにして、時代の流れの中で世界と勝負することもできる。やりたいことで勝負することができるのはエンジニアにとって一生に一度あるか無いかということ。一般論として、技術者が世界で戦える技術を発明できるのは35歳くらいまでとする説もある。技術のカッティングエッジにキャッチアップしていける年齢は限られているというものだ。その上ビジネスもしなければいけないとなると更にハードルが上がる。体力勝負な面もあるので、ベンチャーをやっていくことは若いうちでなければ出来ないこと、今しかできないことだと思っている。最近は「ビッグデータ」の活用や、高精細な動画や大量の画像があちこちで使われるようになってきていること等があって、ストレージの分野は急速に伸びる時期にある。そういった、自分の技術的関心が高い領域を受け入れる時代になっているというのは奇跡的なタイミングだと思う。今を逃したら次同じことがあると思わないほうがいい。だから起業した。

―荒川社長自身、もとからチャレンジしようとする性格でしたか?
前から、リスクをとったほうが面白いかなと思っていた。緊張することはもちろんあるけど、そのほうが経験則上面白い結果になる。変なところで縮こまっているより、やりたいことをやったほうがいいと前から思っている。


高専生活
―荒川社長は東京高専卒ということですが、高専時代にもっとやっておけばよかったと思うものはありますか?
高専時代にできたことで、やれていないことは無い気がする。高専時代はプロコンをやるためのサークルを立ち上げることもできて、人生の中で見てもすごく有意義に過ごしていたと思う。在学中にきちんとやってはいたけど、もう少し英語をやっておけばよかったというのはあるかもね。文系の友達をもっと作っておけばよかったとは思うけど、これは高専に入った時点で仕方がない。逆に理系の友達はたくさんいるので良いと思う。

―それでは高専にいて良かったということでしょうか?
それは本当に思う。高専にいなかったらこうなっていなかった。高専は5年間ほぼびっしり授業があるのに対し大学は自由時間が多く、そのためにコンテストに応募したり起業したりしたほどだ。高専は知識も技能も徹底的に時間を使って教えてくれる。そのため知識も技能も吸収できて、圧倒的にリードすることができると思う。
 
インタビューを終えて
 今回のインタビューを終えて印象に残ったものは、リスクばかりを考えず、チャンスを積極的に見つけて前進していくという荒川社長の考え方だった。
 実は、荒川社長はIzumoBASEを設立する前に株式会社インフォクラフト(ソフトウェアの研究開発を行うベンチャー企業)を設立されている。「専門とするストレージの研究開発に焦点をおいた」企業をつくりたいということで新たにIzumoBASEを設立されたそうだ。このようなことを含め、「自分の好きな分野のことで挑んでいく」という姿勢がインタビューを通して伝わり、とても感銘を受けた。
 リスクを考慮して行動することももちろん大切だが、自分がやりたいと思えるような面白いことに出会い、それを求め続けるためには、自ら行動を起こしていく必要があるのだと痛感した。

(松永)